祐介さんはこの「蒙古斑革命」の撮影でも照明として参加していただいていますが、その光の演出を初めて見たときには驚きました。これまでたくさんの照明家の方たちとお仕事をさせていただきましたが、たいていの撮影現場では、電球やレフ板など専用の照明機材を用いて光を当てていきます。でも、祐介さんはそうした機材を使わずに、その場にある光を巧みに捉えて光を作っていったのです。
たとえば、ストーブの小窓からもれる炎の明かりや、窓から差し込む光、遠くのドアの隙間からこぼれて入ってくる光、あるいはブリキのゴミ箱の蓋に反射した光など。その場にある光をうまく捉えて組み合わせていくうちに、優しさのこもった光が生まれて被写体が浮かび上がるーーそれがすごく印象的でした。
作られる光も温かみのある自然な光ですが、ご自身も自然体。キャパシティが大きく、自分の中にある時間軸がゆったりとした方です。
都会に生きて時間に追われたりすると、なんとなくハラハラドキドキしがちですが、彼はまったくそういうことを感じさません。自分の中にゆったりとした時間軸をお持ちなのでしょう。そして「こっちにおいでよ」と軽く手招きするように、私たち撮影隊を、そのゆるやかな落ち着いた時間に導いてくれるのです。
ものごとを常にポジティブに捉え、ゆったりしと大きな祐介さんの姿を見ていると、なにか、アフリカのサバンナに沈む大きな太陽や、夕日の赤い光みたいなものを、いつも感じてしまうのです。
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