| 山口 |
今後はどうう方向に進もうとしているのかしら。ネオ・チンドンの世界を突き進んで行こうとしている? |
| MAYA |
チンドンは自分の中の大切なことの一つなんだけれど……今、自分の音楽もやっています。チンドンの場合、ミュージシャンとしてサックスでやっているから、自分の音楽とはちょっと違うというのがあって。 |
| 山口 |
自分の音楽というと、たとえば? |
| MAYA |
昨年の秋に、深川和美ちゃんという神戸のソプラノ歌手と組んだCD「アミチエ」を出したばかりなんです。彼女はクラシック出身で、童謡をアレンジした歌を歌ったりしているんですけれど。そこでは私も作曲やアレンジもして、フルートも吹くし、歌も歌っています。
彼女と私は世界もまったく逆で、育ってきた畑が違うから面白い。彼女はクラシックのオペラ歌手で、私はストリート・ミュージシャン。彼女は声楽家として作りあげてきた声、私はこのままの声で、なぜか二人の声が不思議に合ったり。二人でできることをしながら、ほんとうに好き放題に作ったというか。 |
| 山口 |
音楽的に大切にしていることはありますか。 |
| MAYA |
自分はやっぱり日本人とフランス人のハーフで、2つのまったく違う文化を大事にしようと思っていて。音楽的にも、この2つのルーツを大切にしたいし。
だからこうして日本に住んで島唄やチンドンを演ったりしたことも、フランスに行ったらジプシーの兄ちゃんたちと演ったりすることも、どちらも音楽的にもすごく大事で。音どちらの国でもバランスよく住めることが大切かな、と思う。
なるべく一生、日本とフランスを行ったり来たりできればベストだと思う。日本にあんまり長くいても良くないと思うし、フランスにあまり長くいすぎるのもよくないし。
この2つをもっと深いところで混合したい。それは三味線とシャンソン、というレベルではなく、たとえば私にとっての日本のチンドンとフランスのジプシー・ミュージシャンというレベルでやりたい。
そういう意味でも、この「アミチエ」というCDは、面白いものができたと思います。 |
| 山口 |
行ったり来たりしながら、いろんな文化の交流ーー自分の中にあるいろんな国の血や文化をミックスして、自分自身や自分の音楽を創りだしていきたい、ということですね。 |
| MAYA |
そう。今回、日本に来たことは、私にとってとても大事なことだったと思う。フランスで日本人学校に行って、そこで私も日本人のこともわかるし、と思っていたんだけれど、実際に来て住んでみたら、ぜんぜん違うことがわかって。やっぱりダメですね、実際にその国に行かないとわからないことが多い。
日本に来て、いろんな人と接して、出会いがあって、ああ、なんかよかった、と思う。自分自身、変わったな、と思うし。 |
| 山口 |
長期的に何がしたい、というのはありますか。 |
| MAYA |
今まで音楽をちゃんと勉強したことがなく、すぐにステージにあがってステージで勉強してしまったから。みんな勉強してからステージにあがってくるんだけれど、それがちょっと逆になってしまったから。……それもいいことだとは思うんだけれど、本格的に勉強してみたいかな、と。
今やっていることはもちろん続けていきたいし、楽しみながら勉強できたらベストだと思う。これから勉強したら、さらに私にも可能性があるかもって思って。 |
| 山口 |
順序が逆っていいことだと思う。やりたいことがわかってから勉強すると、ほんとうに勉強するから。レベルの違いを気づけたり。 |
| MAYA |
だから、今だな、と思うんです。自分が何を勉強しなくちゃいけないのか、はっきりしてきたから。
ここ4,5年くらい日本にいたから次はフランスに行くのがいいかな、とも思っています。フランスにはアレフというすばらしい劇団があって、彼らと一緒に芝居もやっているんです。
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| 山口 |
お芝居では演技もしているの? |
| MAYA |
演技をしながら音楽もできる芝居なんです。 |
| 山口 |
それは当然、フランス語のお芝居ですよね。 |
| MAYA |
フランス語で。 |
| 山口 |
それって強みだね。それにペルシャ語が加わると完璧だと思う。あれでぜひ歌を作ってほしい。 |
| MAYA |
わかった(笑)。 |