●words from SAYOKO
●第一章 ドラム三昧の日々
●第二章 力強いドラムとアンビエントな音作り
●第三章 ドローンな感覚
●第四章 ネイティヴ・アメリカンの血
●第五章 混ざり合って生まれる新しい音楽
1971年横浜生まれ。本名、佐藤 久順。ドラマー、俳優として活躍するほか、実弟の浅野忠信初監督映画「tori」や長谷井宏紀監督映画 「w/o」の音楽監督をつとめたり、サウンド・コンポーザー、DJ、ビデオ・アーティストなど、音楽・映像に関わる多様なジャンルで多彩な活動を見せる。03年にはKUJUN名義の初のソロアルバム「The beginning of a memory」を発表。ドラマーとしては現在、多様な音楽要素を取り入れた即興性の高いジャムバンド 「ZERO」に参加するほか、さまざまなアーティストと組んでライブを精力的に行っている。映画「tori」の制作記録映像をもとにしたドキュメンタリー映画「SORANO」では(12月にDVD発売)、表現者としての彼の姿を深く覗くことができる。http://www.anore.co.jp/kujun/

音楽家であるKUJUNとは、私がパフォーマンスをするときにコラボレーションをしたり、DJとして同じイベントに出たり、クラブ・シーンやパフォーマンスの場で出会ってきました。KUJUNの音の世界では、力強いドラムとアンビエントな音世界という、まったく異なるように見える二つの世界が矛盾なく一つになっています。

彼のドラムは傍に近づくとはじかれるような力強さを持って、激しくパワフルに迫ってきます。一方、彼の作る曲は、水道管がカーンと鳴る音や、街のざわめき、あるいは雲を流し梢を揺らす空気までもが音として現れているようなアンビエントな世界。その場を音そのものに変化させ、音の力によって人を包み込み、聴く人を安堵させるのです。

 その音の感覚はどこから生まれてくるのだろうと常々不思議に思っていたのですが、今回お話を伺って、少しその秘密を覗けたような気がします。

 身体に流れるネイティヴ・アメリカンの血は彼のドラム独特のビートやグルーヴとなり、子供の頃に耳を傾けていた街のざわめきが、異世界へと導いてくれるアンビエントな音世界へと繋がっている。

 そのアンビエントな音世界はまた、KUJUNそのものです。彼は言葉少なな方ですが、眼差しや佇まい、雰囲気が周りの人に安心感を与える。会うたびに、どうしてこんなに温かく、のびのびとしたオーラをまとうことが可能なんだろう、というくらい大きく優しい方なのです。

 今回、彼のお母様からもお話を伺いましたが、そんな彼の佇まいや音の世界を見ていると、お母様からもらった愛を自分の子供や周囲の人々に全身で返し、なおかつそれを音に変換させて多くの人に届けているようにも思えるのです。



    
 



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