●words from SAYOKO
●第一章 クラシックバレエからコンテンポラリーダンスへ
●第二章 一気に構想が浮かんだ『SIDE-B』
●第三章 ダンスをやりたい、ではなく、ダンスになりたい
●第四章 開かれた場所でただ踊ることだけを
●第五章 千本ノックには魂が宿る
黒田育世●Ikuyo Kuroda
1976年東京生まれ。自ら率いるダンスカンパニーBATIKを始め、国内外の舞台で活躍し、その身体表現において注目されているダンサー&振付家。子供の頃からTVのニュース番組の音で踊るほど踊ることが好きで6歳のときに谷桃子バレエ団に入団、クラシック・バレエ一筋に過ごす。大学時代にロンドンのラバンセンターに留学して出会ったコンテンポラリー・ダンスの世界に引きこまれ、帰国後ダンサーとしての活動を開始。2000年から「伊藤キム+輝く未来」の公演に出演、02年初の振付作品『SIDE-B』で鮮烈なデビューを飾り、04年『SHOKU』『花は流れて時は固まる』等で瞬く間に振付家としての地位を確立。金森穣率いるNoizm05への振付提供や、06年ジョセフ・ナジ振付『遊*ASOBU』への出演などその活動を着実に広げている。この3月には新作『ペンダントイヴ』を発表。http://batik.jp/

ダンサーでありコレオグラファーでもある黒田育世さんは、自分の作品を創り踊るのと同時に、他のダンサーのための作品も創り、他の作品を踊りもします。

その作品を最初に拝見したのは2003年のトヨタ・コレオグラフィー・アワードの発表のときのこと。グランプリにあたる「次代を担う振付家賞」を受賞した『SIDE-B』という作品でした。その少し前からお名前だけは各方面から聞こえてきていたのですが、実際に目にして、激しさとストイックさ、求心性が一体となった素晴らしい世界に圧倒されました。

以来、私も一緒の舞台に出演したり、あるいは衣装を担当して関わったり、お仕事で何回もご一緒させていただいております。

育世さんが踊る姿を見ていると、自分の内から湧き上がったものを、身体の隅々まで充満させて踊っている、と感じます。あれほど激しく踊れば身体は苦しくなるはずなのに、苦しくなればなるほどその顔はにこやかに輝いている。踊ることの喜びが、洗練された幅広い表現から何の衒いもなく伝わってきます。

ふだん話しているときには、とても愛らしく美しい女性なのですが、踊り始めると一変します。性を超越し、余分なものが削ぎ落とされた崇高で清らかな魂そのもの。激しく自分のすべてを放出するように踊るその姿は、純粋な生命の結晶が放つきらめきのようにも思えてくるのです。


    
 



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