●words from SAYOKO
●第一章 どこの誰でもない意味のない名前
●第二章 予測/コントロールできないものを作りたい
●第三章 Dorkbot〜電気を使って変なことをしている人たち〜
●第四章 インターネット・アートの海外事情
●第五章 ネットの国のプリンス&プリンセス

エキソニモ●exonemo
千房けん輔と赤岩やえによって結成されたハッカー・アート・ユニットEXONEMOは、1996年からhttp://www.exonemo.com/を拠点に活動を開始。検索キーワードから引き出されたweb画面をバラバラに切り刻みランダムに映像化して見せてくれる『FragMental Storm 02』など、オンライン上でしか体験できない数々の作品を発表。また、観客に暗闇の中で描かせた絵を壁面に投影したりネット上に表示させる『しカくノムこう』など、国内外でインスタレーション作品の発表やライブ・パフォーマンスも行っている。05年からは “電気を使って変なことをしている人たち” のイベント「ドークボット東京」のオーガナイズも。ネットと付き合う感覚を揺すぶられる作品の数々は上記URLで遊べる。


エキソニモは千房くんとやえちゃんによるユニットです。どこか少年・少女といった雰囲気の漂うお二人では、インターネット上で最初の作品 を発表して以来、コンピュータやインターネット事象そのものをモチーフにしたユーモラスな作品を発表してきました。ネットの中に流れている様々な情報やスパム、ウィルスまで、そうしたものをひょいと掴みとり、切り貼りしたりトリミングして、まったく別の新たなものにして見せてくれたり。

 そうした作品群だけを見ていると、一見アナログとは無縁のまったくの デジタル世界のようにも感じられますが、一方、ライブや展示では「アナログなものを必ず入れるようにしている」とお二人は言います。

 たとえば04年に森美術館で行われた六本木クロッシングという現代日本の若手アーティストを集めた展覧会では、巨大なキャンバスに検索サイトgoogleのトップ画面を描いた油絵の作品が展示され、さらにその絵を見ている観客の映像がWebに中継されていて、それが一個の作品になったものでした。

 「アナログ的要素が入ることがスリリング」であると、アナログ的要素もプログラムの考え方で取り入れて、作品世界を作りあげています。そうした姿を見ていると、デジタルとアナログの新しい関係が、自然な形で生まれてきているのではないかという気がします。

 コンピュータを使ったアート作品が出始めた頃は、デジタル作品はコンピュータ内ですべてのことを処理して、伝統的なアナログ的手法を使った表現とは一線が引かれていたようにも思います。けれど彼らの世代では、奇を衒うこともなく、背伸びすることもなく、コンピュータも絵の具も、デジタルな手法もアナログな手法も同じ一つのテーブルの上に乗せて自由自在に使いこなし、自分たちの言いたいことを現すための「表現」として確立している感じがします。

 これからも世の中のテクノロジーは予測のつかない形でますます進化していくことでしょう。そのときに、当たり前のように受け止めているテクノロジーが生み出した世界と、アナログである人間存在との関わりを、またどんな面白い形で再発見させてくれるのか楽しみです。
   
    
 



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