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若手アーティストの発掘と支援を目的としたアート・コンペティション「東京コンペ」。その第2回目となる05年「東京コンペ#2」のダンス&パフォーマンス部門では私も審査をさせていただいたのですが、そこで優秀賞を受賞されたのが栗原さんです。
栗原さんは皮膚や肌にこだわった創作を続けていらっしゃいます。最終の公開審査となる舞台では、全身に渦巻く文様が描かれたボディ・スーツのような衣装を着たダンサーの方が踊られていましたが、それは衣装というよりは、“身につける皮膚”といったほうがいいもので、緊張感のある演出の中でその存在感は際立っていました。
じつは前々からまるでタトゥのように見える『TATOO Skin』を私も身につけたりしていましたが、審査のときは途中までご本人であると認識できずに、こうした世界を持っていた方なのかと驚きました。今回、お話を伺って、手相をプリントした『運命を着る服』や、傷口を開けるとじつは時計である『傷の時計』、福耳のように見えるイヤリングなど、いかに肌や皮膚にこだわり続けてこられたのかを改めて知ることができました。
人間にとっての皮膚は、肉を覆う単なる皮膜ではありません。傷つけることが自分を確かめてたり、化粧をすることで意識を開いたり。そうした意識や感覚と結びついた皮膚や肌の意味合いを、ちょっとした笑いや驚きとともに考えさせてくれるのが、栗原さん独自の世界なのではないかと思います。
たとえば「タトゥを着る」ということは、これまでにも何人かのファッション・デザイナーの方がやっていらっしゃいます。70年代にはイッセイ・ミヤケさんが刺青のTシャツを作られていますし、沢田研二さんの衣装デザインをされていた早川タケジさんも、ストッキング地を縫い合わせて桜の彫り物のような模様を描いたたボディ・スーツを作られていて、これは私も撮影で着たことがあります。
同じタトゥ・ストッキングでも栗原さんの場合は、30cmの「TATOO Skin」という簡単な小物を身につけるだけで、何らかの違和感やギャップを感じさせ、いい意味で日常を笑ったり、意識を変えるような驚きをもたらしてくれる。
「東京コンペ#2」での受賞を契機に、その独自の世界をさらに広げられたようですが、それがこれからどのように膨らんでいくのか楽しみです。
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